●危機管理能力のない経営者~~船場吉兆
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今、新聞やニュースでは、船場吉兆の話題が毎日取りざたされている。その前は、伊勢の赤福だった。もっと前は、ミートホープの偽装……。
こうした報道を見るたびに、経営側はなぜもっと潔く責任を認め、改善に切り替えないのかという疑問しかわかない。経営者にとっては、もちろん適切な利益を上げるということも重要であるが、やはり問題が起こったときに、きっちりと説明し、問題があれば改善するということも重要な責任ではないのだろうか。
ミートホープにしても、赤福にしても、そして船場吉兆にしても、問題発覚時に適当なウソをつきごまかし、矛盾をつかれると、また、ウソで塗り固める。そして、その間に問題がドンドン大きく、深刻化してしまうという悪循環に入ってしまっている。これでは、再建できる問題も、再建不可能にまで陥ってしまうことは明白である。
もちろん、再建不可能になって、倒産したとして、経営者は良い。自分たちの責任を、自分でとるのだから。しかし、従業員はどうか? 責任をとる能力のない経営者の失敗につきあわされ、解雇や賃金を下げられては、どうしようもない。
船場吉兆は、あろうことか、現場でもっともよく働いている、いわば会社の利益の源となっているとパート労働者に、「自分で賞味期限のシールを貼り替えた」という偽装の念書を書かせたという。とんでもない話だ。
企業にとって、パート労働者というのは、やすく使える“都合のいい”働き手である。正社員とは、給与体系違えば、責任の度合いも全く違う。そのパート労働者に責任をなすりつけるなど、まったくもって許し難い。
そもそも、経営陣が言うように、仮に“パート労働者がかってにおこなった”行為としても、現場の社員が責任をとるべきだろう。それが、社員の役割ではないのか。さらに、現場の社員すら責任をとれないようなものであれば、会社役員が責任をとる。当然のことである。そうした責任感の全くない、我が身の保身ばかりを考える船場吉兆の経営陣は、恥を知るべきである。さらに、恥ずかしいことに、責任逃れは、パート労働者に押しつけるだけでなく、取引先などにも責任を押しつけている。地鶏と銘打って売っていたものが実はブロイラーであった点に関し、社長は業者にだまされたというような発言をしている。しかし、この業者は、ブロイラー専門の業者であったそうである。では、老舗中の老舗である船場吉兆は、ブロイラー専門業者に“地鶏”を注文したのだろうか。ほんとうに恥ずかしい。
さて、ミートホープにせよ、赤福にせよ、船場吉兆にせよ、なぜこんなに無責任が横行するのであろうか。
ウソをついてごまかしても、そのウソをまたウソでごまかさないといけない事態が早晩やってくることは、明白であるし、そもそもウソというのは、どこまでいってもウソであって、真実になることはない。そんなことは、小学生高学年から中学生くらいになってくると、自然と分かってくるものである。はじめは、通用していたウソが次第に大きくなり重くなり、やがては自分のみを守るためのウソが自分の重荷になってくるということを。
経営者は、少なからず社員やパートを抱え、その人たちの生活を支える給与を支払っているのだから、きっちりと責任をとってもらわないと困る。問題が発覚すれば、即、自汁関係を調査し、明らかにし、改善から再建へと動くべきである。




