●橋下徹氏は弁護士にふさわしいか
大阪弁護士会所属の橋下徹弁護士がテレビ番組で、山口県光市母子殺害事件の差し戻し控訴審の被告(26)弁護団に対する懲戒請求を扇動したとして、このうち今枝仁弁護士ら4人が3日、橋下弁護士を相手に、1人当たり300万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こした。
訴状などによると、橋下弁護士は5月27日に西日本を中心に放送された民放番組の中で、同弁護団の弁護活動に触れ、「もし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求掛けてもらいたい」などと発言し、視聴者を扇動した。
差し戻し審の弁護団に対する懲戒請求はそれまで1件もなかったが、放映後、今枝弁護士ら4人それぞれに300件を超える請求が広島弁護士会に届いた。このため、弁明書や資料の提出などの負担を強いられ、弁護活動に不当な重圧を受けたなどと主張している。
『橋下弁護士を提訴=テレビで「懲戒を扇動」-光市母子殺害差し戻し審で・広島』
山口県光市・母子殺害事件関連で、橋下徹氏が弁護士4人から訴えられた。
この事件は、発生後、すでに8年もの時間が経過しているが、その残虐さから、それほどの時間が経っているようには思えない。
その上で、被告人の弁護士が、犯罪の背景には「母に対する人恋しさに起因する母胎回帰」があったと主張し、被告人を弁護するためとはいえ、あまりにもひどいのではないかと、今でも思っている。
弁護士・橋下氏は、この弁護団の主張に「弁護士というのはこんなふざけた主張をするものなんだと印象付けた今回の活動は、完全に懲戒事由にあたる」とし、テレビ番組では、「もし許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求をかけてもらいたい」などとマスコミを使って扇動したそうだ。
僕は、弁護士というのは、法律にのっとって、依頼者の利益を守る者であると考えている。したがって、依頼者の犯罪や行為が、どんなに許せないないものであっても、法律に基づいて、弁護活動を行うべきである。ある意味、自己を殺さないとできない仕事であり、葛藤も多いだろうなあなどと勝手な想像もしている。
さて、この橋下氏の発言に強い違和感を持つ理由は2点ある。
一つは、法律に忠実にのっとって活動する弁護士としての資質である。
被告の弁護人の主張を“こんなふざけた”などと私情を感情的に露わにしているが、こんな人物に弁護士が務まるのだろうか?
彼の得意とする分野が何か知らないが、例えば、彼に離婚訴訟の弁護を依頼したところ、「そんなことしてたんじゃあ、奥さんから、離婚請求されても仕方ないわ。」などと、彼の私情が挟まれるんではと思ってならない。法にのっとって、依頼者の利益を守るということは、大変なことである。弁護士は、依頼者が、酒クセが悪く、浮気をし、暴力夫であっても、法律に基づき、しっかり弁護しなければならない。どれだけ極悪非道な犯罪者であっても、弁護人は弁護に徹底すべきであり、世論から大きな非難を受けようが貫かないといけないだろう。それなのに、世論に迎合し、さらに煽るなど、弁護士としての資質に大きな疑問を感じざるをえない。
二つに、法律とは権力の暴走を一定程度抑制する作用をするものであり、権力者は常に自らの都合のいいように法律を変えようとする。
対して、権力を持たない庶民は、代議士や弁護士を通じ、自らの身を守るしかすべはない。
橋下氏は、テレビで見る限り、彼のその下品な芸風に目はつぶっても、明らかに権力者サイドのものの考え方をする人物である。
権力者サイドの考え方を持つのは勝手なのだが、問題は権力をカサに着て、マスコミ=テレビという公共の電波を使って、大衆を扇動する点は極めて危険である点である。
彼の発言やブログの記事を読んでも、知性のカケラもみられないので、“テレビに露出する芸能人の責任”と言ったところで、橋下氏が理解できるとは思えないのだが、光・母子殺害事件に対して、その弁護士に自らの“正義感”を“示す”前にやるべきことは、山ほどあるのではないだろうか。
大阪府下、最難関といえる高校に入学し、弁護士になった人間の“使命”が、テレビ番組で粗野で下品な芸風を披露し、一殺人事件を興味本位的に煽りたてるだけでは、あまりにもお粗末だ。
本業であると思われる弁護士など廃業してしまい、タイタン所属の芸能人としてやっていくのが良いのではないだろうか。
▼橋下徹・大阪府知事(確定) 就任前から公約撤回
▼橋下徹は、国家権力の犬か
▼橋下徹・大阪府知事には、なにもしないことを望む
▼橋下徹氏は弁護士にふさわしいか



コメント
この弁護士の言動は最近の刑事事件にある兆候に棹さすモノですね。
それは、被告を犯した行為によってさばくのではなく、被害者(家族)の心情によってさばいている、ということです。被告の量刑の決定は、犯罪事実をふくむそれ以前の事実により行うべきであり、家族の心情など考慮してはならない、とわたしはおもっています。もし被害者家族の心情が量刑に影響するなら、たとえば、家族が『スグに釈放してやってください!』。。と、法廷で切々と訴えれば、殺人であっても数年の懲役で釈放、ということになるのでしょうか。
Posted by: 古井戸 | 2007年12月28日 16:44