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2006年12月11日

●「正しい和食」のナショナリズム

 エントリー「お国が決める日本食」で、農水省のくだらない和食認定を批判したが、やはり世界でも話題になっているよう。
 産経新聞のサイトでは、
 【ニューヨーク=長戸雅子】日本の農水省が世界にある和食レストランを「正しい和食」と認証する新制度の導入を検討していることに、和食ブームが続く米国のメディアが次々に反応している。ワシントン・ポスト紙が「国粋主義の復活」と報じれば、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は「日本がスシ・ポリスを派遣する」と揶揄(やゆ)、巻き寿司の「カリフォルニア・ロール」発祥の地ではロサンゼルス・タイムズ紙が「論争の火種になる恐れがある」などと警告し、さながら"日米食文化摩擦"の様相だ。
 農水省は認証制度の検討について「食材や調理法が本来の日本食とかけ離れた料理を提供している日本食レストランが増えているため」と説明。
 現在全米に「日本食」を掲げるレストランは9000店あり、10年間で2.5倍に増加。このうち日本人、日系人がオーナーの店は10%以下に過ぎず、経営者の多くが中国、韓国などアジア系の移民という。(引用終わり)
 というが、きわめて偏見に満ちているのが、アメリカの日本食レストランに関して、「日系人がオーナーの店は10%以下に過ぎず」という表現である。そんなことをいうなら、日本で中華料理を提供しているオーナーの一体どれくらいが中国人がやっているのだろうか。ひょっとすると、1%も満たないのではないだろうか。国内でフランス人がシェフのフランス料理屋はどれだけあるのか、あるいはイタリア人がシェフのパスタ料理屋は。。。
 だいたい、中国人が作るから本格的な旨い中華料理になるとは限らないだろう。日本で生まれた日本国籍の人間で、日本食をまずく作ることのできる人を、僕は数多く知っている。あるいは、ぎゃくに、日本人でおいしいイタリアンを作る(イタリア人がどう思うかは別だが)シェフも知っている。
 食は、文化であり、どこの民族が作ろうが、旨いものは旨いし、口に合わないものは合わない。納豆が臭いという人間は、日本人であっても存在するし、熟成の進んだ臭いチーズが好きなのはヨーロッパ人に限らず、日本人でも(僕なのだが(^_^;)存在する。
 Yahoo!Japan投票で「
海外の日本食レストランで和食とかけ離れた料理が出たことありますか?」
を見ると、どうも違和感を覚える。

 そもそも、海外で、日本の食べ慣れた食事を食べることができるはずはないのではないか。ぎゃくに、認定すべきとコメントをしている人に問いたい。日本で、フレンチやイタリアン、中華、韓国料理と思っているものに、どれだけ「本物」があると思っているのだろうか。
 ほとんどが、日本人向け(正確に言うと日本の食文化にあわせて)にアレンジされているものではないのか。海外で、日本料理がその国の食文化にあわせてアレンジされるのは、当然であるし、それが日本のネイティブが違和感を覚えさせるのもまた当然である。
 スローフードとは、その地元で食べるのが、もっとも旨いというのが当然なのでないか。

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