●お国が決める日本食
農水省が、来年度から、海外の日本食レストランの認証制度を導入するという。「正しい日本食」の基準など、具体案は来年2月にまとめるそう。
しかし、なんともくだらないことに時間と金と人を使うのだろうか。くだらないだけではない。「正しい日本食」というものを政府が決めるというのも傲慢な話である。
食事というのは、人間の基本的な活動であり、極めて重要である。いうまでもない。だからこそ、海外から「食事」を輸入するさいには、かならず日本の食文化に合わせる。中華料理にしても、フレンチ、イタリアンにせよ、日本に数あるレストランの中で、どれだけのレストランが、その国民をうならせるものを出しているのだろうか。いや、別に出さなくていいのではないだろうか。
たとえば、カレーライス。たぶん、インド人は、「こんなものはカレーでない」というだろう。いわゆるカレーライスという食べ物は、日本人向けに改良された立派な「日本食」である。町の食堂で食べるスパゲティはどうだろうか。あるいは、宅配のピザなどは、すでに立派な「日本食」となっているのではないだろうか。いわゆるマーボー豆腐や餃子なども、中華料理ではないだろう。でも、それでいいんではないか。
海外で出されている「日本食」の認定など、まったく無意味だし、傲慢である。文化に政治が口を挟むのは絶対に反対である。どうしても、食文化を守りたいというのなら、外国人に向けるのではなく、まず自国において、フレンチやイタリアン、中華や韓国料理なとの外国料理に認定制度を導入するのが筋というものだろう。
正しいフランス料理に、正しいイタリア料理、正しい中華など認定すれば、「餃子の王将」などは認定されるだろうか(笑 まず、焼き餃子を出している時点でアウトになりそうだし、マーボー豆腐はトウガラシ辛い日本風ではだめで、山椒のきいたものじゃないと認定外だろう。さらに、正しいインド料理を認定してしまうと、残念ながら、ほとんどのカレー屋が認定外になるだろう。「ココ一番」はまず認定されないだろうなあ。おっと、常々愛用しているレトルトのカレーはアウトか! 残念!。
そうそう、スーパーで売っている梅干し。あれは、甘くって調味料の味しかしないので、正しい日本食ではないのじゃないだろうか。日本で売っている日本食からして、かなり怪しい(笑
日本の農水省は来年度から、海外で2万店を超える日本食レストランの認証制度を導入する。欧米を中心に、和食とはかけ離れたメニューを出す店が急増しているからで、「正しい日本食」の基準など、具体案は来年2月にまとめるという。
たとえば、時事通信によると、米カリフォルニア州には3000店に上る日本食レストランがあるが、日本人、日系人による経営はほんの1割程度で、大半が韓国系や中国系なんだとか。
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米国のメディアは「論争の火種になる恐れがある」(ロサンゼルス・タイムズ紙)とか「日本の国粋主義の表れ」(ワシントン・ポスト紙)などと、今回の認証制度を批判しているという。もちろん、まともな日本食レストランもあるし、日本国内にも“偽”のフレンチやイタリアンを出す店はあるが、それ以前の問題のような気も……。
『日刊ゲンダイ』12月5日


