●NHKの歴史を否定する暴挙
菅総務相が、NHKへ「拉致問題を重点的に取り上げるよう」命令を出す方針を決めたよう。
これは、きわめて危険なことであるし、またNHKが国営放送ではなく、なぜ日本放送協会であるのかという歴史性を無視する暴挙であるといわざるを得ない。
60年前、国営放送は、戦局を大本営発表として、政治的にウソの情報を国民にたれ流し、多くの国民を戦争へ駆り立てていった。戦前日本の国営放送のあり方は、北朝鮮の国営放送とまったく同じで、都合の悪いことは取り上げず、さらに真実すらもねじ曲げ、国民を煽動する機関であったのである。
戦後日本は、こうした状況を反省し、国営放送を解体し、広く国民から理事を召集し、運営する放送協会としてスタートした。もちろん、この理事を選ぶのも、かなり恣意的で偏っていると僕は思うのだが、いちおう形式としては、政府や政党から独立した放送局として、この60年間放送を続けてきたのである。
しかし、NHKが、総務相の命令を受け入れれば、この独立性は破壊され、再び政府や与党の都合のいい放送局として使われていくことになるだろう。北朝鮮の国営放送と肩を並べる御用メディアになることは、容易に想像できる。
NHKで働く良心的な労働者は、ぜひとも組合運動として激しく抵抗していただきたい。60年前の過ちを二度と繰り返さぬように。
◆拉致問題の放送、NHKに命令へ・総務相方針
菅総務相は24日、NHKの国際ラジオ放送で拉致問題を重点的に取り上げるよう「命令放送」を出す方針を明らかにした。
2006-10-24 NIKKEI-goo 『日経ニュースメール』


