●経済発展の通る道
僕が、子どものころ、つまり70年代半ば、大阪の水質汚染や大気汚染はひどかった。たぶん、大阪だけではなく、東京や名古屋などもひどかったとおもう。
川は、工場廃液で汚れ、薬品の悪臭で満ち、電車で川のうえを通るときには息をせずにこらえていた。大阪湾も、コーヒー色をしていて、それはそれはひどかった。
経済的な発展というのは、数字だけみるとなんだかスゴイような気がするのだが、多くの労働者の命を奪い、健康被害を与えたにちがいない。
さて、すさまじい勢いで経済成長をする中国であるが、そういうニュースを聞くたびに、工業地帯周辺住民の健康や生命、あるいは工場で働く労働者の健康問題など、また水質汚染や大気汚染など公害問題などは深刻だろうなと、思っていた。
そんななかで、中国・経済特区の深セン市が環境対策をとることを決定したようである。深セン市における公害問題がどれほど深刻なもので、この対策がどの程度実行性のあるものか分からないが、深セン市および中国政府には、経済発展を遂げた国で、深刻な公害問題が発生し、尊い人間の命や健康被害うけた人が数えきれないほどいるという歴史からの教訓を真摯に学び、同じ過ちはくりかえさないようしていただきたい。
香港に青空は戻るか
発展著しい中国・深セン市政府はこのほど、向こう5年間の環境対策を盛り込んだ「深セン市治汚保潔行程行動計画(2006~2010年)」を発表しました。300億元(約4,500億円)を投じ、大気と水質を改善させる294項目のプロジェクトを推進するそうです。(10/17付The Daily NNA香港・華南版)
大気汚染対策としては、7億元を投入して媽湾発電所に脱硫装置を導入したり、5億元で月亮湾や宝昌などのガソリン発電所を天然ガス発電所に転換する計画。これにより深セン当局は、年間で二酸化硫黄3万トンと二酸化窒素46,000トンをそれぞれ削減できると予想しています。
この恩恵に授かれると期待しているのが大気汚染に苦しむ香港なんです。環境保護団体のグリーンパワーは、珠江デルタ地区の工場と発電所からの廃棄物が香港の空の汚
れの一大要因と主張。特に西北風が吹く季節には、深セン西部にある発電所の二酸化炭素が香港に大量に流れてくるようです。なので、深センの計画が香港の環境改善に大きく寄与するとの期待は高まるばかり。はたして香港に青空は戻ってくるのか。計画の成り行きに注目です。
2006.10.23(月) NNA BUSINESS MAIL


