●株式会社による学校経営について考える
ついに、全面的に株式会社による学校経営が始まりそうである。このことによって、何が起こるであろうか。
株式会社というのは、株主が出資・投資し成り立つ会社である。とりわけ上場すれば、株式市場で自社株の売買を行えるために、資本の調達ができる。しかし、逆にいうと、それまで、創業者のものであった会社=My Companyは、多くの株主のための会社=Our Companyとなる。
創業者と役員が動かせる会社は、その経営者の理念がそっくりと反映されやすい。ところが、Our Companyとなった途端に、多くの株主の利害を追及しなければならなくなる。出資してくれている株主に損をさせない、さらに配当金として利潤を分配しなければならず、理念よりも金もうけ優先になりがちである。
こうした株式会社が、教育業を営むということは、理念よりも儲けが勝ってしまう可能性がある。
先の記事『教育を受ける権利は、誰もが有する』で、政府の教育を民営化するという方針について書いたが、当時の大蔵省が危惧するように、儲けを追及するあまり迎合的になったり、サービス過剰で、低俗な教育機関になる可能性は、十分にあるだろう。すでに、最近開校した私立中学校では、報道でみる限り、かなりサービス過剰気味な気がした。これが、株式会社化すれば、授業料だけでなく、市場からの資金も合わせ、その潤沢な資本を元にホテル並みのサービスを兼ね備えた、しかもエンターテイメント性に富んだ学校=公教育が誕生するかもしれない。
ただ、裕福な層がこうした学校に通わせるのは勝手である。むしろ、どうでもよい。問題は、公教育がこのような過程を経過しながら、民間に移行していくことだけは、絶対に阻止しなければならないとおもう。公立学校自体の維持存続と公立学校での質の高い授業の維持発展は、なされないといけない。現場の先生方は、大変だろうが、ぜひ奮闘していただきたい。
◆株式会社の学校経営、全国解禁を検討・政府
政府は株式会社による学校設立で、全国解禁の検討を始める。土地・建物の所有を義務付ける学校設置規制の撤廃も論議。
2006-10-05 『NIKKEI-goo 日経ニュースメール』


