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2006年09月22日

●亀井静香氏いわく「安倍は葛藤にもだえ抜き、狂い死ぬ」

 『日刊ゲンダイ』9月22日号に、亀井静香氏の安倍晋三評が載っていた。僕は、亀井氏については、裏表のない政治家であると思っている。もちろん、思想的には正反対であるが、保守政治家としては一目おいている。
 まず、亀井氏は小泉政治にたいし、鋭い批判を入れている。
 「小泉政権とはね、人を物のように扱う政治をしたんです。」
 と結論づける。規制緩和により、正社員を減らし、派遣社員、パートを増やしたことを弾劾している。そして、
 「日本はひどい国になったなあ。マンパワーが誇りだったのに、もう焼け野原じゃないですか。」
 という。
 まったくその通りだろう。
 日本は、国土も狭く、さらにうち7割が森林である。資源も乏しい。そういう日本を、戦後の経済復興をとげ、世界有数の経済大国にしたのは、額に汗して働く労働者であった。ただひたすらまじめに働く労働者を無視して、国の発展などありえない。
 さらに、現在の日本を築いてきた高齢者には、非常に冷たい対応を行っている。冷酷非道といってもいい。国や会社のために、身を粉にして働いても、老後、国から捨てられるという姿を若い人がみれば、まじめに働く気さえ起きないだろう。
 さて、亀井氏は、小泉政治の犯した罪を断罪しつつ、安倍氏の小泉政治の継承について、次のように分析する。
 「晋三くんは小泉政権の継承者に祭り上げられてしまったが、自己矛盾を抱え、政治的良心との葛藤にもだえ抜き、狂い死にしていくのではないかと思う。」
 僕は、「小泉政権の継承者に祭り上げられ」たとは思わない。むしろ、首相になれなかった親父に代わり、アメリカ型の強権政治をみずから進んで行いたいのだろうと思っている。それは、なによりも自民党総裁選で、目標としていた7割以上の支持が果たせず、総裁に選ばれたにもかかわらず、喜びというよりも、むしろ苦虫を噛んだような表情に表れている。得票としては6割強、しかも一般党員の投票率も低く、さらには「安倍晋太郎」と書いた国会議員もいたというのだから、強権政治を発動しようにもできない。
 それはともかく、亀井氏が「自己矛盾と良心との葛藤にもだえ抜き、狂い死にしていく」という分析をしているところに、安倍晋三の弱さをみた。
 いろいろと、威勢のいいことを言ってはいるが、実は非常に線の細い小人物であるということである。さらに、彼の人脈には、怪しいつながりも多くあるようだし、それも含めて考えると、やはり首相という器ではないとしか思えない。
 ただ、だからといって、「自滅する」と安易に考えるべきではないと思う。野党は、小異を大切にしながら大同について、安倍政権打倒にむけて戦うべきだし、良心的な市民であるブロガーは、安倍政権批判記事のトラックバックを網の目のように張り巡らせて、世論を喚起して、安倍政権を超短命のうちに終わらせないといけないのではないか。

◆ 自己矛盾の葛藤で苦しむことに ◆
 小泉政権とはね、人を物のように扱う政治をしたんです。企業を儲け主義に走らせ、労働法を改正し、おかげで製造業でもドンドン正社員がクビになり、パートや請負になっている。小泉改革に拍手を送っているのは、大企業、銀行、ハゲタカファンドです。日本はひどい国になったなあ。マンパワーが誇りだったのに、もう焼け野原じゃないですか。
 小泉政権の中枢に取り込まれて、「改革の継承」と言っている人に、これを是正できるのか。小泉改革を完全否定しなければ、「美しい国」はできませんよ。
 晋三くんは小泉政権の継承者に祭り上げられてしまったが、自己矛盾を抱え、政治的良心との葛藤にもだえ抜き、狂い死にしていくのではないかと思う。
 私は彼を若い頃から知っている。政調会長のときに社会部会長をやってもらったんです。お父さん(晋太郎氏)にもお世話になった。彼にはある程度、能力はある。ただ、小泉さんのように無神経じゃない。困ると悩むタイプですよ。パフォーマンスでゴマカすこともできない。靖国参拝をパフォーマンスで売りにした小泉首相と、行ったかどうかを明らかにしないという差です。彼ができるパフォーマンスは、誰かにいじめられて、「カワイソー」と同情を買うくらいだろうね。
 ……
  『日刊ゲンダイ』 2006年 9月23日号

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