●ブッシュ米政府による世界恐怖支配
ブッシュ大統領が、東欧諸国に、CIAの秘密収容所の存在を明らかにしたという。そこでは、過酷で厳しい拷問が行われている(そうこの時点でも)ことは、イラクにおける米軍の蛮行を思い起こせば、容易に想像できる。
ブッシュ大統領は、「テロとの戦いにおける最も重要な手段」として、その意義を認め、継続していくことを表明しているが、そもそもアメリカに他国民を拘束し、だれもそこで何が行われているかわからない秘密の収容所を持つことは、きわめて恐ろしいことである。
権力、とりわけアメリカ合州国のような強大な国の大統領の権力は、およそ想像を絶する権力を持つ。その気であれば、国の一つや二つくらい簡単に破壊できるし、実際にアフガニスタンやイラクなどで行われてきた。
こうした想像を絶する強大な権力に対しては、世界中のマスコミをはじめとした多くの人々による厳しい監視が必要である。ベトナム戦争においても、アフガン、イラク侵略に際しても、戦場ジャーナリストや各種団体、個人の果たした役割は大きかった。
しかし、今回、ブッシュが認めざる得なくなった収容所とは、長い間秘密とされてきたものである。権力者の暴走を食い止める役割をするジャーナリストや各種団体から隠されてきたのだ。これほど恐ろしいことはない。
これまで、ポーランドを含む東欧などに設置されていたとされる米国の秘密収容所をめぐり、欧州を中心に国際法との批判が相次ぐ中、ブッシュ政権は沈黙を続けていたが、同大統領は6日、ホワイトハウスでの演説で、国際テロ組織アルカイダの重要容疑者らを極秘に拘束していたCIA=中央情報局の国外秘密収容所の存在を初めて認めた。
CIA秘密収容所というのは、昨年11月、ワシントン・ポストのスクープで存在が明るみに出たもので、アルカイダの幹部など最重要テロ容疑者を収容するため、米国外に密かに設けられた施設。
…… 「テロとの戦いにおける最も重要な手段」として、秘密収容所を継続運営する方針を表明したが、拘束者への拷問や虐待問題で膨らんだ米国のテロ容疑者の扱いに対する国内外の疑念を拭い去るのは困難といえそうだ。
また、ブッシュ大統領は、米中枢同時テロに関与した被告や容疑者ら14人を秘密収容所からキューバのグアンタナモ米軍基地に移送したことも明らかにした。移送者の中には中枢テロの主犯格もおり、「その供述によって、新たなテロを未然に防いできた」と強調するとともに「米国や世界を守るための情報を得てきた」と述べ、秘密収容所を正当化した。
2006/09/19 1183号 [JCJふらっしゅ]
『Z記者の「報道の現場から」』より


