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2006年09月13日

●「美しい国」にするためには

 安倍サンが、『美しい国』をキャッチフレーズにしているらしい。
 本や冊子の題名のみならず、総裁選出馬会見でも、8回も連呼していたそう。
 しかし、美しい国とはどういう国なのか?
 たとえば、豊かな森やせせらぎ、青々とした稲穂が風に揺れているのも美しい。中緯度に存在する日本は、四季がはっきりしているので、その移り変わりも美しいだろう。
 安倍サンは、いったいなにを『美しい』といっているのだろう。著書では、「大草原の小さな家」などを例に挙げているようだけれども、大草原などは、日本の元風景ではない。ゴルフ場をみればわかるが、温暖で湿潤な日本の気候風土において、草原をつくるためには、農薬をまいて草木が生えてくるのを破壊しないとならない。彼は、一体、何をもって『美しい日本』と言っているのだろう。
 そもそも、経済発展を最優先し、森を破壊し、下水対策の遅れから河川を汚し、米が何からとれるか知らない子どもを増やしてきたのは、いったい誰か。まさに、安倍サンをふくめ、親父や祖父がその中枢として舵取りをしてきた自民党でなかったか。
 戦後一貫して、日本の政治は、自民党政権がほぼ独占してきたことは事実である。経済最優先で、自然も、人の心も、破壊してきたのは、社会党でも共産党でもないし、日教組によるサヨク偏向教育とやらでもない。まぎれもなく、60年にわたって、延々と続いてきた自民党の政策の結果である。
 現代日本が美しくないのであれば、まず、その原因をわが身に見いだすべきであろう。さらにいえば、これ以上の醜悪な日本にしたくなければ、公明党との野合をやめ、だだちに政権を譲るべきである。自民党こそが、諸悪の根源なのだから。
 戦後初めて、自民党が政権を持てなかったときの菅直人厚生相の薬害エイズ問題への対応はとてもすばらしかったが、もし、菅氏が大臣でなければ、いまだに薬害エイズ問題は、自民・公明政権の下では、何の進展もなかっただろう。
 美しい国にするためにも、自民党には下野してもらわなければならないだろう。

 安倍晋三官房長官は、「美しい国」というコピーがよほど気に入っているらしい。総裁選前に初めて書いた本が「美しい国へ」なら、政権構想の冊子のタイトルも「美しい国、日本。」だ。9月1日の総裁選出馬会見では約20分間に「美しい国」を8回も連呼。その後も「子供たちが日本に生まれたことに誇りを持てる美しい国に」(9日、東京・秋葉原での街頭演説)とか「世界から尊敬される美しい国をつくっていく」(11日の公開討論会)とか、ヒマさえあれば、「美しい国」を繰り返している。
 フザケた話だ。日本をここまで醜悪な国にしたのは誰なのか。「アンタたちじゃないか」と言いたくなる。

『日刊ゲンダイ』 2006年 9月13日号

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コメント

「美しい○○」などという個に帰属する価値基準を政治家がキャッチフレーズにすること自体イカガワシイものです。
ヒトラーがあまり成績の良くない美学生であったことが思い浮かんでしまいました。
TB頂きまして感謝します。今後も拝見させていただきます。

 ペンギンさん
 コメントありがとうございます。
 他者への攻撃によって、内を守ろうという姿勢もまた、似ているような気がします。
 私の方こそ、ペンギンさんのサイトで勉強させていただいています。今後とも、よろしくお願いいたします。

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