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2006年09月03日

●ビラ配布→逮捕→23日間監禁→裁判1年以上

 東京で、共産党員がビラをまいたことで、逮捕され、23日間も国家権力より拉致・監禁された事件で、7月28日に東京地裁は無罪判決を言い渡した。
 判決文は読んでいないが、読む必要もないだろう。ビラをまいただけで、拉致・監禁されるなど、自由社会においては到底認めることのできない暴挙であるからだ。むしろ、検察側の求刑理由を読んでみたいくらいだ。
 しかし、この国では、そういう「常識」も通用しなくなってきているようである。なんと、東京地検が高裁に控訴したというのである。まったくもって、異常きわまりない。
 政治ビラをまいただけで、逮捕され、23日も拉致・監禁され、しかも1年以上も裁判をしなければならない国など、どこにあるだろうか。いや、あるにはちがいないが、そういう国は国際社会からは「独裁国家」とされ、正義の味方・アメリカ軍によって滅ぼされる運命にある。
 さて、逮捕だけでも異常としかいいようのない、この拉致・監禁事件であるが、あろうことか東京地検は、控訴を決定した。1年も続けた裁判で、ようやく当たり前の判決をえたにもかかわらず、まだ裁判を続けなければならないとは、何とも理不尽きわまりない。
 東京地検は、そっこく控訴を取り下げるべきである。さもないと、正義の味方・アメリカ軍のピンポイント爆撃が永田町に落ちるかもしれない。

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Y記者の「ニュースの検証」

□■東京・葛飾のビラ配布弾圧事件 無罪判決に東京地検が控訴

7月28日、東京地裁が無罪判決を言い渡した東京・葛飾のビラ配布弾圧事件で、1日、東京地検が地裁判決を不服として、東京高裁に控訴した。

東京地裁は、マンション各戸のドアポストへのビラ配布について、社会通念上禁じられていなこと、禁止するとの表示はなかったことなどから「住居侵入罪」には該当しないとして無罪判決を言い渡したばかり。地検の即座の控訴が何を意味しているのか、根本姿勢が問われるところである。

そもそもこの事件は、起訴自体、妥当性を有しているとは言いがたいことが明らかになっている。

検察の控訴は、一連のビラ配布に対する威嚇が、明らかに言論表現の自由を脅かす狙いをもつ不当な弾圧であることを、いよいよ明白にする行為といえる。

「対テロ戦争」を名目にしたイラク戦争の欺瞞、間違いを米ブッシュ大統領も認めるなか、イラク戦争に反対し、対米追従の姿勢をとる小泉政権を批判する行為を、ビラ配布という表現活動の基礎的、原初的な活動から締め付ける行為は、民主主義社会において断じて許されるものではない。

都内で2年足らずの間にビラ配布でだけで4件が摘発された。この事件で起訴された男性は、逮捕後23日間拘置され、裁判に1年以上を費やしている。

もし検察が、そうした言論表現活動は、ネット上で行うべきであり、治安対策上、マンション等への出入りは認めないという主張を秘めての控訴であるならば、それこそ逆効果であることを指摘しておかねばならない。

人的なふれあいを封殺し、ネット上にコミュニケーションを追いやることが時代対応だと考えているのならば、それは明らかな間違いである。また、宅配ピザのチラシはよく、言論表現活動はだめということであれば、外部者の侵入を排除するという意味では「無菌状態」と呼ぶにはほど遠い。

さらにその「無菌状態」が治安対策上、有効であると考えるほうが危険だ。地域社会から人と人の直接的なコミュニケーションを排除し、刺激を喪失した不自然な環境を醸成することこそ、地域の監視の目を決定的に弱体化させる要因となろう。

このケースのように長年続けられてきた行為が、取り締まられ、規制され、排除され、起訴される理由がどこに存在するのか。目的は思想統制にあるのか、政治的行為の弾圧にあるのか、その見せしめにあるのか、威圧ににあるのか。あるいは検察の意地や威信が即座の控訴に結びついているのだとしたら、それこそ検察の威信を失墜さ
せるものである。

行き過ぎは及ばざるが如し。いったい何を、何から守ろうとしているのか。その目的と根拠をしっかりと時代対応させてこそ、現場の仕事が生きてくる。間違っても、言論表現の自由や人権を語る者を「敵」と決め付けて行動するような判断は、これを機会に即刻見直されねばならない。

誤った認識こそが、誤った社会を生む。逮捕し起訴する権限をもつ側が、その付託された権限を誤って理解し行使することの危険をこそ自覚すべきである。検察が市民の敵に回るような日本社会を、断じてつくってはならない。社会を萎縮させ、疲弊させるだけで、決して未来への展望にプラスに働くことを切り開く行為ではない。

民主主義の根幹である言論表現の自由を脅かす弾圧を断じて許すわけにはいかない。市民とメディアは一致して強く抗議の声を発していく必要がある。

なお、7月28日の東京地裁による無罪判決をうけて、全国の新聞が無罪を正当と報じ、安易な摘発を諌める社説を、29日いっせいに掲げた。以下、当日、私が見ることの出来たものを紹介しておく(順不同)。


東奥日報 政党ビラ配り無罪/配れない世にしたくない

http://www.toonippo.co.jp/shasetsu/sha2006/sha20060829.html

信濃毎日新聞 社説=ビラ配り無罪 安易な摘発を戒めて

http://www.shinmai.co.jp/news/20060829/KT060828ETI090004000022.htm

北日本新聞 政党ビラ判決/行き過ぎた摘発戒めた

http://www.kitanippon.co.jp/

岐阜新聞 政党ビラ判決 規制、慎重さとバランスを

http://www.jic-gifu.or.jp/np/

神奈川新聞 ビラ配布無罪 妥当な判決を受け入れよ

http://www.kanaloco.jp/editorial/entry/editorial39/

愛媛新聞 政党ビラ配布に無罪 そもそも処罰が必要だったのか

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017200608296495.html

神戸新聞 政党ビラ無罪/自由封じの方が害大きい

http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/index.shtml

宮崎日日新聞 政党ビラ配布無罪 安易な摘発に警鐘を鳴らす

http://www.the-miyanichi.co.jp/news/index.php3?PT=4

南日本新聞 【政党ビラ判決】公平欠く摘発の中止を

http://373news.com/2000syasetu/2006/sya060829.htm

高知新聞 【ビラ配り】表現の自由の重さを

http://www.kochinews.co.jp/editor.htm

佐賀新聞 ビラ配り判決 許容すべき範囲では

http://www.saga-s.co.jp/ronsetu.html

東京新聞 ビラ配り無罪 取り締まりに偏りが

http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20060829/col_____sha_____003.shtml

北海道新聞 ビラ配布無罪*行き過ぎ摘発を憂える

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/backnumber.php3?j=0032

琉球新報 政党ビラ判決・自由な論議損なうだけだ

http://ryukyushimpo.jp/news/storytopic-11.html

中国新聞 ビラ配り無罪判決 行き過ぎ捜査に歯止め

http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200608290058.html

朝日新聞 ビラ配り無罪 うなずける判決だ

http://www.asahi.com/paper/editorial20060829.html

毎日新聞 政治ビラ配布 知恵絞り表現の自由守ろう

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20060829k0000m070135000c.html

2006/09/02 1167号 

[JCJふらっしゅ] http://www.jcj.gr.jp/

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