●東京五輪はいらない
『日刊ゲンダイ』9月1日号で、「《2016年東京五輪招致》早くもささやかれる森派・石原都知事“巨大利権”」いう記事があった。
既存施設の利用を掲げる都の計画では、五輪に使用する36会場のうち既設は22、仮設は12、新設はメーン五輪スタジアムなど2会場だけ。施設整備費4956億円を見込んでいるが、都の負担はたったの453億円だ。残りはほとんどを国や民間資金で賄ってもらう計画。大会運営費2943億円も国や民間にオンブにダッコで、都の負担はゼロ。石原都知事は「民間の協力を得ながら努力を重ねる」とか言っているが、すべて絵に描いたモチだ。
「資金集めはあくまで見込みで、国や民間の協力が100%得られる保証はありません。節約のために既存施設の改修も打ち出していますが、駒沢オリンピック公園などは老朽化が著しく、新設と変わらないくらいカネがかかる。日本武道館は使えても、近くに練習場がないので、新たに仮設の建物が必要です。最終的に都の負担がどれだけ膨れあがるかも分からない。都の計画では五輪が開催されなくても16年夏までにすべてを完成させる予定です。最初から再開発ありきとしか思えません」(都関係者)
04年のアテネ五輪も開催費は当初予算の倍近い約1兆2000億円に達した。それを見越してか、都は今年度から五輪準備基金を毎年1000億円ずつ、4年間積み立てると言いだした。この4000億円は都民の税金から賄われることになる。使い道は「五輪に関係の深い事業や都市戦略の中で必要なものに充てる。交通整備などインフラ投資も考えられる」(都五輪招致本部)というから、ドサクサ紛れで何に使われるか分からない。
東京・石原都政が、オリンピックを招致を手にした。また、庶民の生活をかえりみず、大きな花火をぶちあげて、重要問題から目をそらさせようとしている。
さて、上記の記事によると、今回の東京五輪では、既存の施設を利用し、5000億円弱の予算でおこなうという皮算用であるらしい。しかし、アテネ五輪が当初予算の2倍近い額を費やしたということであると、やはり東京五輪も1兆円近い金がかかるのだろう。いや、開催国の意地をかけて、メダル争いをしなくてはならないから、もし東京五輪が決定すれば、選手育成のために莫大な金が、ごく一部の選手にのみ使われる。
その金は、まぎれもなく都民をはじめ日本に暮らす多くの人々の税金である。こんな金があるんなら、もっと別に有益な使い方があるのではないか。もちろん、スポーツ振興に税金を使うのは賛成だ。しかし、ほんのひとにぎりの選手だけが、手厚く扱われるのであれば、賛成はできない。
また、『日刊ゲンダイ』紙では続けて、オリンピック利権の行方を指摘する。
それでなくても、今回の招致には“怪しいにおい”がプンプンする。いまや、小泉長期政権を支え、大派閥となった森前首相が、「『体協(会長)として話がある』と石原知事を訪ねて」いるという点が、非常に危険である。前首相というだけで、そこには強力な権力が存在するというのに、日本体育協会会長であり、JOC理事も兼任しているというのだから、そうとうな金が動く(すでに動いている?)とみても、まったくおかしくはない。 いずれにせよ、政治家を肥え太らせ、その一方で額に汗して働く庶民が報われないようなオリンピック開催なんて必要はない。
「昨年8月の石原知事の五輪招致宣言後、日本体育協会会長でJOC理事の森前首相が『体協として話がある』と石原知事を訪ねています。代々木公園周辺の大規模再開発について話をしたようです。再開発構想には五輪の競技会場に指定された国立代々木競技場や東京体育館のほか、周辺の道路整備なども含まれています」(政界関係者)
石原都知事は30日、早くも3選への出馬宣言をした。安倍官房長官は最大限の努力を約束した。都市開発利権で太った森派だけに、監視が必要だ。
『日刊ゲンダイ』 06年 9月 1日号


