●働く女性とパート
厚生労働省が発行する2003年版の「女性労働白書」(『働く女性の実情』)が出た。
それによると、雇用された男性労働者が減少する中で、女性労働者は増加しているよう。そして、その女性労働者の内、40.7%がパートであるという。
このことは、何を意味するのだろうか。
僕には、労働者(※)にとって、大変なことが起こっているように思えて仕方ない。
というのは、まず、第1に、なぜ女性労働者の雇用が、男性に比べ、増えているのかという点である。結論から言うと、賃金において、男性に比べ、女性の方が安い(相対的にである)からだろう。
第2に、その女性労働者の中でも、パート労働者が、初めて4割を越えたのは、まだ、さらに安く使うということだろう。
以上2つの意味で、大問題ではないかと思う。
資本主義が起こってきた、100年も200年も前。機械化の成果で、熟練した労働者の役割が薄くなり、多くの女性や子どもたちが、安い賃金で働かされていた。その後、市民革命や社会主義革命などをへて、自由権とか社会権という、人としての当然の権利、労働者としての当然の権利を守るという立場が、積極的に作られてきた。
しかし、今、「女性労働白書」を見る限り、歴史は、100年も200年も前に、逆上っているように思える。
男性と女性との賃金の差は、能力によるものではない。さらに、正雇用とパート労働との差も、能力によるものではない。
パート=短時間労働者とするのは、パートという語彙からしても、法的地位からしても、正しいのだが、実情とは、かけ離れている気がする。正雇用の労働者同様に、実働7時間以上働くパートさんは、多いのではないだろうか。
そうすると、パートというのは、低賃金労働者であるという方が、シックリする。
会社によっては、正社員よりも仕事を知っていて、よくできるパートさんがいたりする。
正規雇用の労働者と同じ時間はたらいて、仕事の内容も同じ、しかし賃金が違うとすれば、それは、差別ではないか。女性のはたらく機会が増えるというのは、良いことであるが、一般論で片づけると、問題を見誤る可能性がある。大切なのは、その女性(あるいは男性)が、不当な搾取を受けていないかどうかではないだろうか。


