●佐賀銀行“デマメール”事件
昨年12月末、佐賀銀行がつぶれるという、ウワサが流れ、預金を解約する取付騒ぎがおきた。おろされた預金は、500億円にもなったという。
そのウワサの元になったという女性が、17日「犯人」として書類送検された。
しかし、どうも納得がいかない。
まず、第1に、ホントに、その女性から、ウワサが始まったのか? そんなウワサの出所など、特定できるのか? メールで広がる前に、口コミで、すでに広がっていた可能性は、ないのだろうか?
第2に、ウワサが広がる「土壌」に問題はないのか? 食に関しても、企業のモラルに関しても、今、非常に不安感がある。はっきり言って、何を信頼してイイのか、分らない時代である。銀行の問題、バブル期の放漫経営の責任を明確にせずに、税金を惜しみなくジャブジャブ使い、アイマイにしてきた政治の問題は、大きいのではないだろうか?
第3に、さらに言うと、信用経済でなり立っていることから、銀行などは、自らの信用を積極的に作っていく必要があったのではないか。銀行だからつぶれないというのは、幻想に過ぎない。
大体、「銀行をつぶすには、その銀行がつぶれるというウワサを流せば良い」などというのは、昔からあるブラックジョークであり、銀行を中心に高度に発達した信用経済に対する皮肉である。そして、歴史が証明する事実である。
ただ、20年前と異なるのは、「銀行がつぶれる」というウワサが、真実味を持って広がるにたる「土壌」があることだけ。
第4に、ウワサを流したとされる人を探しだすという「解決」は、全くのゴマカシではないか? 政府は、喪失した銀行や金融政策への信頼回復をサボって、「ウワサを流す」→「犯罪」とし、権力の行使という「力技」を使っているようにしか見えない。もう1度強調しておくが、20年前なら、「銀行がつぶれる」などというウワサは、間違いなく、相手にされなかっただろう。せいぜい、信用経済の本質的な弱さを皮肉るくらいにしか聞こえないものだったと思う。問題は、ここである。
残念ながら、書類送検された女性は、権力者に、イイように食いものにされたとしか言いようがない。しかし、この世界的な不況の中で、今後、こんな「力技」は、そう通用するものではないだろう。



コメント
たまたまヒットしたので興味深く拝見しました。もうご承知かもしれませんが、20年前どころか30年前に一度、豊川信用金庫という地銀がデマによって取付騒ぎが起きているのはご存じでしょうか。
デマの研究という論文によってその事件は解釈・学習されることが多いと思いますが、その論文では噂の根本を探れたことは非常に重要な進歩だと評価がされています。
警察の対応もそうした歴史的な経験・蓄積があったのではないかと思います。
Posted by: Anonymous | 2006年12月12日 10:08